居酒屋さんの成り立ちって、原点はお蕎麦屋さんだというお話。
お蕎麦屋さんが次第にお酒も出すようになって、
一品料理も増えて、いつしか居酒屋さんに。
確かお酒飲みの先輩方からそんな風に教わりました。
確かに内装や椅子や机に共通するものがありますよね。
ほら、机にしっかりとはまり込む、四つ足の四角い椅子とか、
いかにもお蕎麦屋さんな感じ、しませんか?
この日は、そんなお蕎麦屋さんが食堂になって、
さらに夜は居酒屋にもなるという、多毛作なお店。
ご存知の方も多いでしょう、「信濃路」さんです。
都内にも何軒かあるようですが、今回は蒲田のお店のへ。
すごく流行ってるんで大きなお店の印象でしたが、
カウンターしかないんですね。ちょっとビックリ。
一番、奥には年季のはいったメニュー表が。
しかしまぁ、全体的に安いですねーっ!!
でもどうですか、この雰囲気!たまらないでしょう(笑)
ボク、こういうのダイスキ!この大衆感、いいっすねーっ!
こんなにメニューがあると何を頼もうか迷っちゃいますね。
と、いいながら、顔はニヤニヤ…。
前々から書いてますが、当然ボクはお酒が好きなんですが、
よくよく考えると、どうもそれだけじゃない。
ましてやおつまみが好きなだけでもない。
お酒自体よりも、飲んでいる状態が好き?
いやいや、それだったら家で飲めばいいわけで、
なんでこんなに飲み歩くのかって、どうも別の理由があるんですね。
それはつまり「酒場が好き」ということ。特に「街の酒場」がね。
こんなにいろんな人が行き交う人間らしい場所はないでしょう。
お酒飲むということは、いろんな鎧を脱いでいくこと。
裸になった自分はか弱く情けなく恥ずしいけど、すごく素直。
そんな人たちが集まる良い酒場はいつも暖かい笑顔に溢れてる。
時には涙、時には憤り、時には感動。
初めて一緒に飲む人と一気に仲良くなったり、
いつも一緒の同僚の新しい一面を発見したり。
隣の席のおじさんとひょんなことで意気投合したり、
ちょっとこの子に惚れそうかもと思ったり(笑)
全然知らない人のすごく良い話が聞けたり、
明日から「人生変えよう」と決意したり。
そんな時にはいつも隣にお酒がありました。
そんなドラマチックなことは酒場でおきてる気がします。
酒場で世の中が変わる、時代が変わることはないでしょうが、
人の人生を変える力は十分にある。
そりゃ破滅的に飲んで身体壊して悪い方へかえちゃダメですよ。
英気を養って新しいビジョンを得て前に進むのです。
中学1年生の時に出合ったギターで青春時代を過ごしたボクは
音楽こそがすべて、人の心を動かせる偉大な力だと思ってました。
それがお酒に出合って一気に宗旨替えしました。
あれだけ自己表現だ、言葉にならない情念だとかき鳴らしたギターも
打ち上げの時の一杯のビールにはかなわないのです。
しこたま飲んで腹割って話した方がどれだけ伝わることか。
おっと、いけない、信濃路さんのあまりのステキな雰囲気に
ついつい、語ってしまいましたね。
大事なことを忘れていました。信濃路さんのカレー、うまい!
「新しくなってさらに美味しくなりました」と書いてますが、確かに。
これは早々にカレーライスをいただきにこなければ!
なんと340円という良心価格です。
いろんな人たちがそれぞれの理由で立ち寄る酒場。
ここには人々の思いがあふれているんです。
カウンターの影にふと見つけてしまった夢のカケラ…。
それは、そのまま、そうっとしておいてあげてくださいね。
はい、ごちそうさまでした。
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