先日来、しばらく東京の下町大衆酒場のツアーを綴っておりました。
それも何軒かは伝説にもなっている老舗の名店。
お店それぞれの焼酎ハイボールの味わいもさることながら、
長く続けて来られたお店ならではの独特の雰囲気というか味わいが素晴らしい。
そんな伝説的なお店というのはもちろん、大阪にもあるんです。
ここもボクが10数年前に酒場巡りをした頃に伺ったお店ですね。
道頓堀の「ふじ井」さん!あぁ懐かしい。
改めて調べてみると一度、ご閉店なさったようで!?
その後、復活されて今は木曜と金曜のみの営業になっているそうです。
京都エリアのボクにはなかなか呼ばれにくいお店ですね。
この日、本当にたまたま大阪で仕事があったもので、もうそこは有無を言わさず!
一人で自由度も高かったのが幸いしましてね。
「今日しかない!」との強い思いで訪ねてまいりました!
若干高く感じる敷居ではありますが、静かに嗜む大人の世界へ。
あえて開店時間を外して別のところで時間をつぶして行きました。
週に2日しか楽しめないなら、そこは常連さんを優先すべきでしょうかからね。
そろそろ一回転したかな、というところでお伺い。
たまたま一二席空いてまして、お客さんが目配せしてくださる。
こんな一見の若造(相対的にねw)にも気をつかってくださるのが嬉しい。
まずはともあれ、お目当てのコチラです。
「特製ハイボール」!これを求めてやってまいりました!
小さめの肉厚のグラスです。日本酒のもっきり用よりは少し大きいですが。
よく見ると白い線が入っていますでしょう?
ウィスキーの角瓶でキンキンに冷やされた液体が、この線まで注がれます。
そこからあとはウィルキンソンの辛い方のジンジャーエール。
そこにレモンを一枚ね。これが「ふじ井」伝説の一つ。
このベースアルコールにあたる、線まで注がれるお酒が謎なんですね。
度数はすごく高くて、おそらく15度以上はあるでしょう。
ただ、飲み口は柔らかいので、キケンなほどにするする飲めちゃうんですね。
少し失礼してカウンターを拝見します。
ビールとかもあるのでしょうけど、みなさんこの特製ハイボールですね。
女将さんと店員の女性のお二人で切り盛りされているようです。
20席もないカウンターのみのお店。
小じんまりしてますが、席の後ろはゆったりした空間で
全体に狭いという印象はありません。
それよりも、常連さん方が醸し出す独特の空気感がステキなんです。
これから街へ繰り出すぞ、という遊び慣れた男たちのワクワクした感じがあって、
その前に一杯だけ、少し美味しいものをつまみに来たんだ、という感じ。
大阪の粋というのはこういうものかと、背筋が伸びますね!
メニューはこれだけ。そんなところも潔くてね。
東京の下町酒場もそうでしたが、こちらも肉料理がメイン。
看板メニューはこちらの「煮込み」!
あえて東京と比較するなら、こちらは関西らしく豚ではなくて「牛」なんですね。
ボクには部位を全て言い当てることはできませんが、
関西の文化に触れて牛肉にいろんな部位があること、奥が深いことを知りました。
おっ、また続々と次のお客さんがやってこられましたよ。
今度のみなさんは気っ風がいい。ビールでスタートですね。
しかしこちら、お客さん方が本当に素晴らしいんですね。
ガラガラっと扉を開ける音がすると、そちらを向いて「じゃ、そろそろ」と。
次のお客さんが来ると一番先にいたお客さんが声をかけて席を譲るんですね。
順番に皆が楽しめるように、お客さんがまさに「自治」をしてるんですよ。
当然長っ尻をするような店ではないですからいいのでしょうが、
こういうのが、本当に粋だな、素敵だなって思いますね。
これだけ言っておきながら野暮なことをしてしまうボクです。ごめんなさい。
この透明な液体が謎のお酒なんですね。
焼酎っぽくはあるんですが単なる焼酎とも思えない。
芳しくもあるんですが、ジンジャーエールとマッチして不思議な爽快感。
そして、このハイボールの切れ味が肉料理に合うんですよねー!
脂を切るというか、口の中をさっぱりさせてくれる。
だからまた食べたくなって、食べるとまた飲みたくなる。
マリアージュとは違う意味の相性なんです。
隣の一人のお客さんは煮込みをお代わりされていましたが、
ボクは別のものを・・ということで、こちらコールドタン!
なぜコールドなのかわかりませんが、タンはタンですね。
元々は凍ってなのかしら?全然、凍ってはいないですよ。
ともかく凝縮されたうまみがたまらない一品!
甘みがジワジワ~っと口に広がるんですね~!
全体にねっとりとした濃厚な味わい。脂も美味ね。
辛子が絶妙な演出をしてくれますね。
そしてまたお代わり。おっ!こんどはレモンスライスが追加になった。
飲み口が良くてキレもよいのですいすいいってしまいます。
これだけ飲み歩いているボクですので問題ないですが、
相当アルコール度数は高いので、初めての方は気をつけた方がいいですね。
あ、でも老舗の名店って、そんなところが多いか笑
最後にこちらをいただきました!!
煮込みもう一回!と悩んだのですが、あえてテイルスープ。
これがまた非常に上品でおいしいんです。
おそらくダシもこのテイルだけなのでしょう。
シンプルにお肉の味わいを楽しめます。
スープなのもいいんですね。じわわわん、と飲んだ身体に染みます。。
いやぁ美味しかった!どこまでいっても上品。
このあたりが同じ大衆肉料理でも東京の「もつ焼き」とは違うところ。
一見すると割烹のようですもんで、この入口も。
「上質な肉料理のお店」といったとらえ方の方良いのかもしれません。
ボクが感動したのは、料理もそうだし特製ハイボールももちろんですが
それ以上にお客さんのジェントルマンぶりにホント感激でした。
ボクも酒飲みの端くれとして、あぁありたいと思いました。
パっと飲んでパッと帰る。よし、それで行こう!
ごちそうさまでしたー!
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